米国(ラスベガス)COMDEX/FALL2003視察レポート
   

 

COMDEX/FALL2003・CDXPO 視察レポート

 2003年11月16日(日)〜20日(木) (ネバダ州ラスベガス現地日付) での、COMDEX Fall 2003及びCDXPOの視察レポートを記載します。

今年は、昨年までの主催者であったMey3Media Groupが会社更生法申請を発表しMediaLiveに変更になったこと、ハイテク情報会社のJupitermedia社が、新たなトレードショウ「Computer Digital Expo Fall 2003」を開催することで2つのイベントが同時期にラスベガスで開催され両イベントの視察となりました。

 

COMDEX Fall 2003

URL : http://www.comdex.com/

開催都市: ネバダ州ラスベガス

開催期間: 2003年11月16日(日)〜20日(木)

会  場: ラスベガス コンベンションセンター

主  催: 米Key3Media社 会社更生法申請を発表

COMDEX運営会社が社名変更 - Key3MediaからMediaLiveへ

URL : http://www.medialiveinternational.com/

 

概  要:  COMDEX(Computer Dealers Exhibition)は、毎年米国で開催されるパソコン、H/W、S/Wやその周辺機器、システムを対象としたコンピュータ/IT業界で最大の展示会です。

米国では毎年、春と秋に2回開催されますが秋の開催は春より大規模に実施され、世界に向けた戦略的な新製品を発表する場となっており、今後のコンピュータ業界の市場動向・トレンドを見いだすことの出来る最も注目される展示会です。

 従来は単なるPC製品の展示会であったが、IT業界全体に新しい技術への理解を広めIT業界関係者をサポートするような開催方式のため、従来のコンシューマ製品中心路線から、ビジネスエンタープライズ、ソリューション展示へと方針を転換しているのだと感じた。昨年よりテーマの絞り込みも有り展示企業数の削減やそれに伴った展示スペースの縮小は有ったものの、テーマ毎の焦点は明確だと感じました。

今年は、Security、Wireless and Mobility、The Digital Enterprise、Web Services、Windows and .NET、Open Source、On Demand Computingの7つをメインテーマとして開催されました。セキュリティ、ユキビタス、ブロードバンドなどの新しい方向性の展示や次世代に向けた製品や技術が発表されており会期中、多くの会議・セミナーも開催されていました。私は特にSecurity、Wireless and Mobilityに重点的視察しました。

 

Las Vegas Convention Center

 

主要テーマ
Security                   (セキュリティ)

Wireless and Mobility  (ワイヤレス&モビリティ)

The Digital Enterprise           (デジタル エンタープライズ)

Web Services           (ウェッブサービス)

Windows and .NET   (ウィンドウズ & ネット)

Open Source           (オープンソース)

On Demand Computing(オンデマンド コンピューティング)

 

Security            (セキュリティ)

ファイアウオール装置のソニックウォールや「マカフィー(McAfee)」のブランドでセキュリティー関連製品を発売される予定。ソニックウォール製品はOffice Gateway and Guest HotSpot対応でありWireless Securityの先駆製品となり得ると思います。

ソニックウォール

OfficeGateway and Guest HotSpot対応

 

 Securityコーナー以外では、マイクロソフトが自社のセキュリティー対策の紹介コーナーやセキュリティー企業を集めた小口ブースを設置した程度で、目立ったものは殆ど無く特にウイルス対策ソフト大手のシマンテックなども出展されていなかった。

Securityコーナーにはハウリ社は出展)

 

セキュリティー関連の展示では、迷惑メール(スパム)対策コーナーが設けられていた。 サーバーに導入するとスパムを排除できるソフトウエアなどを中心に紹介されている。サイバリソフトウエア社等が出展し、自社開発ソフトを使用してスパムメールフィルタリング方法などを解説していた。

  

Wireless and Mobility   (ワイヤレス&モビリティ)

 ゲートウェイ「M275」はコンバチブル型のタブレットPC型で、インテルの携帯パソコン向け規格「セントリーノ」を採用し、IEEE802.11b準拠の無線LAN機能を搭載している。PCMCIA接続タイプのIEEE802.11a IEEE802.11b IEEE802.11gも展示されているが、全体的にPC内蔵用のボード式の方が多く見受けられた。特に最新のNotePCのPCMCIAスロットは1つが殆どでありボード内蔵の方向に進むと見られる。

 

Open Source     (オープンソース)

MySQL」や「Open Office」を紹介する。

データベースソフト「MySQL」、オフィス互換のワープロや表計算ソフト「Open Office」、ネットスケープから派生したブラウザー「Mozilla」といったソフト群で、ブースではソフトの利用方法などの説明であり、オープンソースソフト向けのパッケージ製品などを紹介していた。

 オープンソースは、「Linex」「RedHat」に代表されるボランティア的な発想から生まれたS/Wで、インターネット上にソースコードが開示され、自由に改変して利用でき、今後はアプリケーションの発表によりも企業向けシステムが多く採用されて行くものと思われる。

 

On Demand Computing(オンデマンド コンピューティング)

 米大手企業の多くが出展していなかった今年のコムデックスであった、昨年同様、韓国、台湾、中国などアジア各国からは多くの企業が参加していた。特に目立ったのが大きなブースを構えていた台湾の「TATUNG」(大同)である。「ウィンドウズXPメディアセンターエディション」搭載のパソコン「Media Center PC」やタブレットPCなどを展示していた。「Media Center PC」はワイヤレスのキーボードとマウスを備え、本体前面にはIEEE1394、USB端子、コンパクトフラッシュやSDメモリーカードなどに対応したスロットを装備したほか、ハードディスク録画機としても使える。メモリーカードに関してはSDがスタンダードになるのか?

 

XONIX WATCH

 中国の時計メーカー「XONIX WATCH」は腕時計型のUSBメモリーを展示していました。リストバンド部分にUSBケーブルが付属し、これをパソコンと接続してデータをやり取りするものでメモリー容量は最大で256メガバイトの仕様です。常にデータを持ち歩く人には便利かもしれないがメモリステックでも自由分のような気がします。他には、PDA機能を内蔵し、パソコンとつないで電話帳やスケジュールのデータを保存できる腕時計も紹介されていました。

腕時計型USBメモリー

 

 韓国の「Finger System」は、ペン型の入力機器「i-pen」を出品。マウスのようにペンを動かしてパソコンを操作できる。光学式マウスと同じ仕組みで動くので、専用パットなどは必要ない。付属のソフトを使えば、手書き文字を認識して入力できるようですが漢字の認識に関しては色々と問題がありそうです。教育マーケットでの「お絵かき」等には適していると思います。他にブルートゥースでパソコン接続するタイプや、USB接続するタイプ等があるそうです。

  

PDAと携帯電話の融合端末に多くの関心

 日本でまだ馴染みが少ないが、北米市場ではPDAと携帯電話を融合したモバイル端末が多数あり会場では日立「SH-G1000」米ハンドスプリングの「treo 600」といった製品を見ることが出来ました。

 米ハンドスプリング「treo 600」は、キーボードを備えた「パームOS5」搭載の端末。携帯電話、スケジュール管理や住所録などのPIM、メールといった機能に加え、640×480ピクセルの画像を撮影できるカメラを内蔵する。(カタログ仕様)

国内の携帯のこの製品は米通信会社のスプリントやPDA大手のパームなどが展示していたが、どのブースでも手にとって使い勝手を試している来場者の姿が目立った。

  

主な展示内容

・情報端末

無電源小型情報端末を用いた位置に基づく情報支援システム

国内Projectでした。

http://staff.aist.go.jp/takuichi.nishimura/CoBITsystem.htm

イヤホンタイプの情報端末。中心の黒い長方形部分は太陽電池で発信器からの情報を収集する。

Bluetooth【ブルー・トゥース:免許の不要な微弱電波を使った、Point to Point、Point to Multi-Pointの近距離無線音声/データ通信規格。】を利用した情報端末。

今後、ブルー・トゥースを利用したヘッドセットタイプの情報端末が普及しそうである。

 

360度回転のWebカメラ       HDD、DLT、DAT、ビデオフープ等

のデータ消去装置テーブルの上に置くだけ

でデータが消去されました。

指紋認証でのソリューション

 

USBタイプのIrDA装置

IrDA (Infrared Data Association)【アイ・アール・ディー・エー】赤外線を利用した標準的なデータ通信プロトコルで将来的には微弱電波を使った無線データ通信規格の「Bluetooth」に置き換わっていくと予想されているが国内の最新携帯電話に標準装備されてきており需要はまだありそうである。

 

Securityコーナーにはハウリ社出展

 

CDXPO (COMPUTER DIGITAL EXPO)

COMDEX2003のユーザーを拾う予定(本国ではCOMDEXのおまけ的な存在とされている)

開催都市: ネバダ州ラスベガス

開催期間: 2003年11月17日(月)〜20日(木)

会  場: MANDALAY BAY マンダレーベイコンベンションセンター

URL :http://www.mandalaybay.com/home.jsp

主  催: 米Jupitermedia社 ジュピターメディア開催(コンピュータの書籍出版会社)

URL :http://www.jupitermedia.com/

URL : http://biz.knt.co.jp/cdxpo/

 

概  要: 今年より開催されるCDXPO(COMPUTER DIGITAL EXPO)は世界の主要なLINUX関連ベンダーが一堂に出展する展示会、カンファレンスで、同期間中開催されているCOMDEXがWINDOWS主体のイベントとなる中で、LINUX陣営が様々なソリューションやIT技術を発表・展示するイベントということであったが集客はとても少なく1時間も掛からずに見学出来る状況下であった。ブースの1/3がCanadaブースでしめられていました。おそらく最初で最後のイベントの様な気がしました。

 

                                                                                   以上